Mari Takano Homepage/What do I compose now?
Mari Takano Homepage/What do I compose now? What's new?
  1. 新作

    LigAlien III, for vn and hp(2007)
    (2007年6月12日 ハンブルクのリゲティメモリアルコンサートで世界初演)

    劇音楽「美しい日本の神話」(vn and piano)(2007)
    (日本の「古事記」に基づいた劇のための音楽)
    2008年初めにCDリリース予定

  2. フルートコンチェルトCDリリース
    2008年秋にいよいよフルートコンチェルトが、BIS社よりリリース予定!
    (レコーディングの時のことを下記に書いてあります。)

  3. コンサートインフォメーション
    2008年2月18日(月)19:00開演
    Ellen Ugelvik ピアノコンサート(ノルウェー出身の柔軟なテクニックに恵まれた音楽性に溢れたピアニストです)にて「Jungibility」が日本初演
    場所:松尾ホール(東京メトロ、日々谷駅徒歩1分)
    千代田区有楽町1-5-1 日比谷マリンビルB1 03-3539-1711
    お問い合わせ maricatmusic@yahoo.co.jp


レコーディング・セッション オレブロにて

今は、ちょうど新しい作品"LigALien IV"をほぼ書き上げてしまったところなので、5月にフルートコンチェルトの録音のため、スウェーデンの小さな魅力的な都市、オレブロ市へ行ってきたことについて、書きたいと思います。

練習とレコーディング合わせてたった4日間でしたが、演奏家が素晴らしかったため、全てはスムースに進み、大変実りある日々となりました。オーケストラ(弦楽)は、スウェーデン・オレブロ室内オーケストラのメンバーですが、見事なスカンジナビアのオーケストラの一つでした。信じられない程プロフェッショナルで、団員のメンバーは作品にとても熱心に取り組み、さらに高い音楽的知性を持っていました。また、音色は美しく、鋭いリズム感とスウィング感に恵まれたオーケストラでした。フルーティスト、シャロン・ベザリーさんは、御存じのように、世界中のもっとも素晴らしいフルーティストの一人です。彼女のために作品を書き、一緒に仕事ができて、 私は光栄です。指揮者、アンナ・メースンさんも全く同じです。彼女は私の作品をとても良く理解してくれ、私は作品について、ほとんど説明する必要はありませんでした。そして、一人のアメリカ人としていかにスウィングするかを良く知っており、そのリズムに対する感覚をどのようにオーケストラに伝えるかテクニックに長けていたことはいうまでもありません。

レコーディング・セッションの最後の夜、シャロンはアンナと私を親切にもディナーに招待してくれました。このような状況では皆、疲れていることと思いますが、いくらか緊張感も過ぎ去り、たくさんの興味深い話題について私たちは語り合いました。例えば、シャロンにもアンナにもお子さんがおり、彼女達にとっては、芸術家としてのキャリアと家庭のバランスをとることはとても大変なことなのです。私には世話する子供はいませんが、それでも時々、作曲、仕事、猫の世話、家事だけでも手一杯。。。なのに、彼女達の頑張りには、敬服せざるをえません。もちろん、その後、私たちは、現代の時代において避けて通ることのできない話題、すなわち政治や環境についても語り合いました。

シャロンとアンナと別れた後、私は一人、市中心にあるスポーツパブへと向かいました。その日はサッカーのUEFAチャンピオンリーグ決勝戦があり、私のフルートコンチェルトを録音してくれた2人のドイツ人録音技師もそこにいくといっていたからです。決勝戦はイタリアとイギリスのチームで、パブには大勢のイタリア人とイギリス人の若者がおり、私たちはビールを手に、立ってゲームを観戦しました。パブには、私以外の日本人女性はおらず、大柄な若者の間から顔を出してビールを注文する私に彼らもびっくりだったでしょう。でも、これは、私にとってスウェーデン滞在中とてもリラックスした時間でした。ドイツにいた時も、アメリカへ行った時も、色々な国の友人達に混じってこういったパブへ行ったものです。

さて、録音技師のチーフは、レコーディングでとても疲れているようでした。レコーディング時間が限られていたため、オーケストラの総マネージャーは、日一日とレコーディングが終るかどうか不安になり、ついに最終日には、レコーディング中は、録音技師の後ろに立ち、休み時間もまるでストーカーのように、そのそばから離れないのでした。

男性が厳しい状況においても、女性より、落ち着きを保てることができる(あるいはそれほど真剣に考えていない?)ことは認めなければならないかもしれません。話はまた、サッカーに戻ります。イタリアチームが勝った後、イギリス人の若者はとても失望してパブを去りました。イタリア人の若者はバーに残り、飲み続けました。その姿はまるで、雌ライオンがその日の獲物を持って帰ってくるのをリラックスしながら待つ雄ライオン、のようでした。


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